運動会も終わり(2週間前なのに、もう随分前の出来事のように感じます)、年長さんはいよいよ就学先を決定する時期となります。
我が家については迷うことなく(他に選択肢もなく)、先日の文章にも書いたように市立の特別支援学校に行くことがほぼ決定していますが、備忘録を兼ねて、過去の3箇所の学校見学(支援学級を持つ普通小学校の見学)についてまとめてみます。
********************
初めての学校見学は昨年のことです。園の地域別グループの活動として、療育支援児童数が14名(当時データ、そのうちその年度に入学した1年生がその大半)の小学校の見学をさせて頂きました。
先に校長先生からのお話で、
・入学(新学期)が始まってまもない6月に野外活動(お泊りあり)に行ったこと
・皆で電車の時間を調べて段取りを立てて映画館まで『仮面ライダー』を見に行ったこと
・日常の校内活動においては、療育対象の生徒のみの授業以外にも通常児童の授業に参加する交流授業もあること
・昼休み等にも普通学級のお兄さんたちが療育学級を訪れて1年生の生徒たちを可愛がったりしていること
…等、子どもたちが皆積極的に様々な経験に取り組んでいる様子をお伺いしました。
私自身が小学生のころ(もう30年以上前です)、その小学校にも特殊学級がありました。
しかしその学級がどのようなものなのか、そこにどういう特性の子どもが通っているのか、子どもたち(私たち)には何の説明もなく、結果としてその学級の子どもたちを理解する機会は全くありませんでした。
そういった経験から鑑みても、こちらの小学校で前述のようなかたちで子どもたち同士が交流している姿は軽い驚きも感じられました。
その点を校長先生にお聞きしたところ、入学後すぐの時点で、療育児童の保護者から他の(通常の)保護者/児童に対して、自分の子どもの特性について話をする機会を設け、交流のきっかけをつくる場面があるとのことでした。
やはり周囲との交流を図っていく上で、保護者の役割(外への踏み出し・働きかけ)は重要であると感じます。
実際の授業の見学も行いました。
療育学級の中では、当時2年生のAさん(園出身)と5年生の女の子の2人に対して、ひとりの先生が同時並行で授業を行っていました。
2年生には「かずをかぞえる」ための算数、5年生には国語です。
Aさんはマイウェイに、突然現れたわれわれ見学者に緊張しながら?、数字のカードを順番にならべるやりとりを先生と行っていました。
そのやりとりの合間に、先生はもうひとりの女の子に文章指導を行っていました。
直接見れたのはその二人に対しての授業風景だけでしたが、上にも書いたように、学年間で生徒数のバランスが毎年ちょうど取れているわけではないため、ひとりひとりに合ったレベルの授業を行うことは難しいようです。
療育学級の参観の次には、一年生の交流授業の場面で、今年入ったBくん(その前年まで園にいた、同じ地域の子です)が他の子に交じって授業を受けている様子を見ました。
いちばん後ろの机で(われわれ見学者の真ん前で)、他の子と同じようにノートを広げて鉛筆を握っていたBくん。彼が他の生徒と違うのは、横に指導員の方がついて彼が授業に集中できるように支援していること。
その点を除けば、みんな全体的に落ち着きがなくて少しザワザワしている中で、彼はふつうの小学校1年生でした。
うちの息子の進路については、今の発達の状況を前提として、市立支援学校で専門の先生方による教育を受けることを考えていました。
しかしこうして地域の普通校での交流授業も取り入れた様子を見聞きさせて頂いて、広い視野で見ると”通常学校も希望(あこがれ)だなぁ”と感じました。
息子が普通の子どもに交じって普通に過ごせる、とは思っていません。
しかし、いろいろな人間が関わりながら生きている社会のモデルを学校の中で経験できること、息子が頑張るだけではなく保護者である自分たちも通常の保護者と交わり働きかけをしていく場面があること。
その点は支援学校での入学では経験できない気がします。
また、本日の見学の中で、生徒数が学年によってバラツキがあることでの授業のバランスの取りにくさ、ひとりの先生が特性/学年の違う複数の子どもに一度に教える難しさ、といった問題も垣間見ることができました。
その点も現実として、我々保護者は知っておくべきことであり、先生/学校に対しての何らかの支援・改善の協力が必要なのだと判りました。
********************
先々月には、市の指導員の薦めにより、家庭単位で(息子を連れて)、居住区内の小学校への見学の機会がありました。
こちらは支援学級が3人/1学級のこじんまりとした規模の学校です。
授業風景の見学のために教室に入らせて頂くと、中学年のC君が「こんにちは。○○です」と自己紹介をしながらこちらに握手を求めてきました。
それにも少し驚きましたが、その後もC君は空いている席(3人のうち1人はお休みでした)に息子を座らせたり、休み時間にプレイルーム(隣の空き教室にトランポリン等を置いて、療育児童が気軽に遊べるようにしてある)に連れて行って「一緒に遊ぼう」と誘ってくれたり、とても素敵に息子に働きかけてくれました。
息子自身も最初は見知らぬ環境で戸惑いはありましたが、そのうち笑顔を見せてくれるようになりました。
少人数の教室であることも関係しているのかもしれませんが、他者に対して礼儀正しく、そして優しく接することのできる子どもが育っていることにとても”温かさ”を感じて帰りました。
その子だけですべてを判断はできませんが、子どもの温かさが学校の温かさであり、地域の温かさであることを祈ります。
********************
先月には、療育支援児童数が9名/2学級の小学校の見学の機会がありました。
一番印章に残ったのは、体育の交流授業での中学年のD君(園出身)の姿でした。
クラスが各コートに分かれてバレーボールの練習を行う中で、D君もボールを使ってサーブの練習をしていました。
他の子のサーブは相手のコートにうまく入るかどうかはともかく、ボールに腕を当てて飛ばす、という基本動作はできます。
しかしD君はうまくボールに腕を当てることができず、横についている先生が腕の振り方や使い方を教え、本人もその通りに(自分の番が来る以外でも)腕を振る仕草を見せていました。
その仕草に、「D君は今どんな気持ちでいるんだろう?」ということをずっと思いながら見ていました。
他の子と比べて自分がうまく体を使えないという認識はあるのか?
あるとすればその事をどう感じているのだろうか?
「もっとうまくなりたいな」と思って頑張ってくれてればいいな、「自分はうまくできなくて駄目だな」とは思ってほしくないな、そんなことを考えながら彼を見ていました。
交流授業・交流学級の場面において自分を他の子と比較する場面が多くあると思いますが、決して自分をネガディブに考えてしまうことないような日常の心の持たせ方や、彼らに(彼らなりのレベルでの)見せ場をつくって周りから「こいつ、やるじゃん!」と評価してもらえるような工夫、そういったものが数多くあればいいな、と感じました。
残念ながらそのあたりのお話を先生に直接訊くことはできませんでしたが、気づきを得ることのできた学校見学となりました。
********************
上記はあくまで、知的障害をメインとする子どもの一保護者の視点です。
身体面に困難さを抱えるお子さんの親なら、学内のバリアフリーの状態や医療体制などの現実的な観点もさらにあると思います。
また、自分の子どもが通う可能性のない学校について、何を考えて見学すればよいのか戸惑う方もいらっしゃると思います。
その場合でも、違う学校ではあっても、学校/学級という現実社会のミニモデルの中での、自分の子どもの数年後の将来をイメージすることはできるのではないでしょうか。
それは自分が希望する将来のイメージとは決して同じではないと思います。学校側にもっと考えてほしい点、改善してほしいも多々あるかもしれません。
それらの「もっとこうなってほしい」という意思を持って、子どもの就学に望むことで、よりよい療育環境が現実のものになっていくように望みます。