自閉症の息子についての短歌だけど、辞典にはそんな言葉は無い。

20代の終わりの頃に、ネット上で知り合った方が短歌の掲示板を運営していて(他の読み手は1、2人だったけど)、観た映画の感想や日々の雑感を短歌で投稿していた。

そして最近、息子のことについていろいろと思うことを短歌で詠みたくなった。


なぜ短歌なのか? という理由は、

・ナルシストだから。

・息子に対するいろいろな心の揺れ/思いがあるたび、その気持ちを何かに残しておきたいと思うのだけど、それを生のかたちで残すのではなくて加工/梱包して格調高く皆様にお見せしたい、という格好つけたがりだから。

・自分の子どもの障がいのことをネタにしてサブカルっぽさを出したいから。

理由はともかくとして、31~34文字に自分の気持ちをわざわざパッケージし直せるということは、自分の気持ちにまだ余裕があるということでもある。


黙し子に喋れ微笑め抱きつけと親の身勝手募りし父の日

言葉発つ子に驚きつ何くわぬ顔でやりとり楽しむ夢路

もの言わぬ我が子の口よりこりこりと胡瓜喰む音響く食卓


一番下の歌は、写真つきで母にメールで送ったところ、しばらくたった後に返歌があった。


もの言わぬ子の胡瓜食む音詠みし親なる吾子の心根おもふ

離り住む身なれば吾子の安らけき日々なることをただに願ひぬ


うちの母親は自分のような自己流ではなく、全国的な短歌サークルに所属し、会報誌への定期的な投稿を長年続け、識者による評価も頂いている。


黙し子と我が家へ帰る夕暮れ時手をつなぐ影こころのかたち